信剣士の細やかな時間のホット一息

チャレンジャーとしての世界で生きたいと思います。会社にエネルギーを注いで来ましたが自分の存在が如何に薄いのか思い知らされ、これからは自分の希望のためにエネルギーを使って見ます。私は何処まで歩いて行けるのか知りたいです。ぶらっと、いろんなテーマに触れて行こう。

《ブログ小説》ブラックで踊る今日とfive star story 31(静かな始まり)

打ち合わせを終えた悠史が会議室から出て来た。美咲と水菜が会議室での打ち合わせ内容に関心があるようで2人の視線が悠史に刺さる。

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「おう!どうした!?」

 

「・・・・・」

「・・・・・」

2人は、ただただ無言で悠史を見つめている。その視線は強く何かを、訴えているのは事実だと悠史は悟っている。

 

「別にお前達に内緒で話し進めてる訳でないぞ!!えっとな、ただ何となくだ。」

「どの道拓也が出て来るから、色々話して来るはずだし、そしたら聞きたい事聞いてみろ。」

 

悠史にとっては本当に深い意味など無いのである。話しを進めて行くに当たり、手元のスペースを広く取りたかっただけであった。彼の思想は秘密主義では無くオープン主義で有るのだから、彼女達に対して伏せたい題材は何もないのである。美咲の顔が少し和らいで、ようやくリアクションを取り始めた。

 

「別にそんな事、一言も言ってないし・・どちらかと言うと、それで!?って知りたいんだけど、だから勿体ぶらないで聞かせて欲しいんだけど!」

「ミズだって知りたいよね!!」

 

美咲は悠史に投げていた視線を水菜に向けて共感を求めている。水菜は既に彼女の声に反応して美咲の方へ視線が向かっていた。水菜は、とんとんと悠史に対して話し掛ける美咲に、心なしか羨ましさを覚えていた。つい昨日までの私だったら自分の方が、ストレートに気持ちを発信していたはずだと不思議な心境に駆られていた。

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「あっ、・・う・うん。」

 

ふっと我に返って話し掛ける。

 

「そうだよ!私達を置いてきぼりにしないでよ。ウチらだって役に立つんだからね!!」

「どうせ、面白い話なんでしょ!」

水菜は悠史がこれから何かを始めようとしてる事に、ワクワクする感情が心地良いと感じている。ただそれを感じているのは美咲も一緒である。彼女達は此処での仕事に対しては面白いと感じてるのも、今に始まった事ではないのだが、新たなるプランに興味深々である。

 

「まぁまぁ、落ち着いてくれよ。」

「・・」

 

ようやく、拓也が会議室から姿を現した。拓也は3人の雰囲気にキョトンとして立ち竦んでいる。

 

「・・・ん!」

「・・・・・・・」

「皆んな、どした?」

 

「拓也、ウチのマドンナ達が微妙な重圧を掛けて来るのだよ!」

「拓也君、説明してあげてくれないか!?」

 

「あぁ・・そう言う事ね!」

 

拓也は辺りを見渡して集まる視線を複雑な心境で、今の状態を受け止めた。今度は水菜が話し始める。

 

「ねぇねぇ、私達も聞かせて貰えるんだよね?」

「ウチらも、気になっちゃって気になっちゃって、それで拓君を待ってたわけ。」

 

「なんだ、そんな事ね!!」

「はっきり言って、ノープランだったよ。何点かはこれから説明するよ。」

 

「・・・」

「・・・」

 

一瞬、彼女達は動きが止まった。きっと期待していた内容とのギャップだろう。そして結局彼女達は呆然とするしかなかったのである。そして彼女達の視線は再び悠史に向けられた。さっぱり状況がつかめないので、悠史に解決の糸口を期待しているかのようだ。

 

「そんな感じよ!」

「まっそれでも、もう少し課題はあるはずだからその辺は拓也に確認取れば分かるはず」

 

「窪さんらしいと言えば、窪さんらしいかな?」

「手取り早く行って仕舞えば、集客力上げとけって感じ。」

 

「フーーン、そうなんだ。」

「集客力か〜。」

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彼女達にとっては意識し慣れたフレーズではある。だからこその代わり映えしないフレーズに2人はテンションの行き場を失い始めた。

 

「まっ気落ちしなさんな、これからもう少し具体的に説明するからさ。」

 

そして拓也は自分のデスクに戻り、何か整理し始めだした。マドンナの2人ももう暫くの辛抱だと感じたのか、取り敢えず目先の業務をこなし始めた。

 

 

(この物語のスタートになりますので、リンクを貼り付けときますね。宜しければ最初からお読み頂けると、ご理解が深まりますのでお楽しみ願います。)

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