LOST LOVEと消せない面影
まだ、慣れない1人の日常
朝には、いつものように仕事が始まる。
ハンドルを握る空間が日常の大半を過ごしてることになる。
そんな状況に救われていた、何かしていられる瞬間は気持ちを紛らわし易いから・・
失って気がつく
よく耳にしていた言葉、まさか自分が体験するなんて思ってなかった。
身勝手だった
そこに、何時も居るはずだと
いや、居なくなるなんて微塵も感じない残念な性分
流れる景色と一緒に通り過ぎてしまえって
そんな状況が続くといつか、消えるのか・・
忙しく流れる時、苦しさ救ってくれる。
意識をそらし易い。
もっと、もっと早く流れて欲しい時間。
通り過ぎた時の分だけ、苦しさを埋めてくれると信じて。
置いてきぼりをくらって、着いていけない感情。
ハハッ、カッコ悪りィ・・
誰も居ない相手に、呟いた。
久しぶりに、冷たく冷え切った2人の思い出の部屋に帰る。
しばらく未使用だったんだろう空間の静けさが、より孤独を煽ってくる。
小さな冷蔵庫を開ける。
空っぽの中に、また呟く。
空っぽって、連鎖するのか・・
空腹満たすため、食材の調達に向かう
普段はコンビニ通いが習慣になってるが一応、拠点では簡単でも良いので、弁当以外の物を腹に押し込みたくなる。
普段1人では立ち寄らないスーパーだからこそなのか、記憶がフィードバックして来る。
棚の下段に陳列して有る食材を、しゃがみ込んだアイツが、その食材を手に取り笑顔で俺に話し掛けて来た!?
ドラマとかで良く見る回想シーン・・
自分もこんな感じで経験するなんて・・
あの時、当たり前に感じてた日々がどれほど幸せな日常だったのか思い知る。
年末が近づいて来た、気持ちを整理するためにも、部屋の大掃除はうってつけだと感じ、整理し始める。
アイツの痕跡をどんどん捨てていく。
一つだけ捨てられなかった、アイツ愛用の空っぽの香水。
キャップを開けて鼻元に近づけると、香りが残ってる。
目を閉じるとよりリアルにアイツが蘇る。
・・そーっと、その香水を棚に戻した。
また時が流れた。
友人女性が、偶然にもアイツと会ったらしい。
久しぶりと、会話したらしく俺の話題にもなったようだ。
友人女性は、アイツも元気でやってるよって言った。そしてアイツにも何か胸の中に思いがあるように感じたらしい。
どうも、必要以上に深く話していないらしい。
その友人女性は俺に、アイツの連絡先を差し出してきた。
連絡して見なよ。
俺は、ワリィなって受け取った。
懐かしいなって言えるほど時は流れてた。
部屋に帰って、暫くの間その連絡先を見つめていた。
・・・そしてゴミ箱に捨てた。
過去を消せて居ない自分に、アイツの前で不様を晒したく無かったから。
再開が訪れるとしたら、失恋を克服した後でないと無理。
過去にしがみついた状態では、
一皮剥けた奴にはなれてねーって自分に言い聞かせる。