《ブログ小説》ブラックで踊る今日とfive star story 28(水菜の高仲からの解放!?)
事務所の入り口の扉がゆっくり開いた。
まだ、眠りが足りないと言った雰囲気の劉基が、ノソノソ入って来た。
「うぃ〜っす。」
「おはよう。」
最初に応えたのは美咲だった。
「おはよう・・昨日はありがとう。」
劉基は、あっそうだったと思い出した。昨日は高仲を連れ出して夜の街に繰り出したのだ、それはそれで中々楽しめていた劉基達だったので、貸しを作った意識なんて全然無かったのだ。
劉基は水菜を見て笑顔を見せた。
「彼、高仲さんも楽しんで居たみたいだったぞ!」
「男の失恋なんて物は、繰り返してタフになって行くもんだよ。」
水菜は劉基の言葉で、少し安心した様だ。
「で、高仲さんはその後どんな感じだったの?」
美咲は水菜にとっても彼女にとっても率直な質問を劉基にぶつけて聞いてみた。やはり今回の軸となる高仲のその後の心境については、確認しときたい題材である。劉基は、若干回答に躊躇してはいるようだったが応じてみた。
「うーん?、女の子とは楽しそうにはしてたみたいだったけとね!」
「俺も本題に触れる会話はしてないからな?」
美咲はもどかしそうに複雑な表情で劉基にどんな風に質問すべきか少し考えて話し出した。
「ミズがね、これから怖い思いしたくないんだって!高仲さん今回の件で上手く心変わりして欲しいって願ってるんだからね!
「まぁまぁ、そこはさ〜プロの女の子に預けちゃえば、何とかなるって。」
「一応は、あっちの世界ではトップクラスの女の子達だからさー、信じて見る価値は有ると思うよ。」
少し落ち着きを、取り戻して美咲は頭の中で劉基の言葉を整理している。
「あの時の彼女達って大丈夫なの?あっちの世界のトップクラスってどんな感じなの?」
普通の女の子にとって夜の世界の女の子の生態については、あまり接点が無いためいまいちピンと来ない様である。
「男のホンネを見てる子達だからね、良い部分も悪い部分も常にぶつけられてる世界だからな。」
「男の気持ち掴むのも、躱すのも達者な子達だと思うよ。特別悪事企む子達でも無いから心配ご無用なんじゃない!?」
「ふーん、そうなんだね。ミズ!劉君の事とりあえず信用して見ようか?」
美咲は水菜の顔を見た。
「・・うん、そうだよ折角劉君が一肌脱いでくれたんだもんね!」
「劉君、ありがとうね。凄く助かったよ。」
「一時はどうなるかと凄い不安だったけど、お陰で助かりました。」
水菜は丁寧に感謝の気持ちを述べた。確かに高仲をこの段階で何とか出来たことで、殆どトラブルらしいトラブルは抑えられたんだと感じずにはいられない状況だと思う。
そうこうする間に拓也も姿を現した。
「皆んな、おはよう!」
「うぃ!」
「おはよう、昨日はありがとうね!」
「おっはー」
「よう!まっ、俺は特別何もしてないけど、なんか無事っぽいみたいだね。」
水菜の顔の表情を確認した見たいで、直感的に自然体の水菜を感じたのだろう。
「お陰で様で、取り敢えずひと段落したみたいなんだよ、良かった。」
「ほう、それはそれは。」
拓也は軽めの挨拶をしながら今日の仕事の準備にかかり出している。それにつられる様に、各々が準備し始めた。
少し遅れて悠史の登場だ。
「皆んな、相変わらず早いな〜」
「おはよう」
「おはー」
「ちぃーす!」
「お、は、よ、う、ございますエロジィ!!」
水菜の精一杯の感謝なのだろう。