信剣士の細やかな時間のホット一息

チャレンジャーとしての世界で生きたいと思います。会社にエネルギーを注いで来ましたが自分の存在が如何に薄いのか思い知らされ、これからは自分の希望のためにエネルギーを使って見ます。私は何処まで歩いて行けるのか知りたいです。ぶらっと、いろんなテーマに触れて行こう。

《ブログ小説》ブラックで踊る今日とfive star story 29(目指す方向と心の交差点)

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悠史はいつもの様に自分の席に向かう。そして彼は自分達の次なる展開を、どんな形で進向かせようか考えていた。自分を取り巻く4人の面白い存在。これからの時代を勝ち組として生き残るには何をテーマに扱かうべきか、そして何より4人が輝かれる個性をどうやって引き出すのか、悠史は4人を見回していた。

 

「窪さん俺、今から外回り行って来ますね!」

 

悠史がハッとして劉基を見た、劉基はこちらを一瞬だけチラッと見て来たので、軽く相づちをうった。いつでも彼は比較的サラッとした印象を受ける。それがまた取引先にとって、追い掛けたくなる心理を煽るのかもしれない。

 

「行って来ま〜す。」

 

劉基は事務所を出て行った。他の3人が反応した。拓也は手を上げて

 

「気を付けて。」

「はーい」

 

マドンナ達は簡単に見送った。美咲が軽く悠史に近寄り彼の意識をこちらに向ける。さすがに悠史は気が付き視線を美咲に向けるが、美咲は首を傾げ様子を伺っているようだ。

 

「劉君と高仲さんのその後って、気にならないの?」

 

悠史は、あまり興味が無かったのが事実なのだが、そこで無関心さを主張すると3倍は面倒くさくなるだろうと思い一応話題を振ってみた。

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「何か聞いたのか?」

 

美咲は内心、この人は本当に淡々としてるんだなと感じる。

 

「なんかな男性を酔わせる女の子達が居て、その子と高仲さん、劉君の4人で夜の街に消えたんだけど。」

 

「あぁ、拓也からサラッと聞いてるよ。」

 

「だから、その後に女の子達や高仲さんがどんな感じになって行ったかとか、高仲さんはミズに対して今後どうなって行くのかとか、ミズの不安のケアとかさぁ」

 

美咲は悠史の淡白さに若干疲労している様でもある。悠史にとっては劉基の交流の中から引っ張って来た女の子達がどれほどタイプなのかは全く知らないのだけれど、男性がついつい引き込まれてしまう女性像は想像がつく。そして劉基の人選は申し分ないレベルの相手を選んでくれてる自信はあるのだ。だが、男性同士の場合は感覚的に理解し合える部分なのだが、その感覚的部分を女性に納得して貰う様に説明するのは、至難の技である。

 

「まぁな、・・えっとな佐々木、大丈夫だったか?・・多分もう大丈夫だと思うぞ!」

 

「!?」

「えっ?あ、あっ、・・そう、・・だったら良かったです。」

 

水菜は突然、悠史が自分に話を振って来た事に驚き戸惑った。正直に水菜は怖い思いをしないで済むなら何よりだとも思っている。でも、水菜も美咲も悠史の言葉には少しも、納得する言い方では無いと感じてるのが事実である。

 

「なんかさ〜真剣味が足りない感じがするんだけど、く・ぼ・ず・か・さ〜ん、本当に大丈夫ですか〜。」

 

「えっとな、上手く説明するのが難しいんだよ。心配するな、お前らが自由に動けなくなるのはリスクが高すぎるからな、ここに居る男性陣は最高のボディガードだと思っとけ!」

 

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美咲は確かに、言葉足らずだと思うのだが信頼度が高いのは否定出来なかった。美咲も又、凄いメンバーに囲まれたものだと感心している。

そして、当の水菜は少しだけ悠史に照れが生まれてるのか、胸元がザワザワする。

 

「エロジィ・・窪塚さん!今日は、こちらのレポートをチェックして貰っても良いですか?」

 

少しバタバタ気味で水菜は、悠史の机の上にそのまとめた書類をドサッと置いた。そんな水菜の突然の行動にびっくりした悠史であるが、その行動が何かを意味するとは、微塵も感じていないのが悠史である。

 

「ミズ、このおっさんも、こう言ってるし私も気に掛けてるから安心出来る?」

 

水菜は凄く嬉しく思えている。美咲のお姉さんの様な優しさが心地よく、元々甘えん坊の水菜にとっては、姉御肌の美咲は信頼できる大切な存在になっている。

 

「ありがとうね、全然大丈夫!」

「昨日の出来事って、凄く印象深い経験だったよ!」

「その分、凄く得られた事も沢山あって、何かね幸せな気分だよ!」

 

「・・なら良かったよ!!」