信剣士の細やかな時間のホット一息

チャレンジャーとしての世界で生きたいと思います。会社にエネルギーを注いで来ましたが自分の存在が如何に薄いのか思い知らされ、これからは自分の希望のためにエネルギーを使って見ます。私は何処まで歩いて行けるのか知りたいです。ぶらっと、いろんなテーマに触れて行こう。

《ブログ小説》愛と絆のfive star story 4(新たな方向性)

 

「我が社の社長さんの刃物のような、指示事項が届いちゃったよ」

水菜は近寄って来た美咲を見つめて、口元を歪ませてる。解消しきれない不安に、美咲の反応で心の平穏を満たす期待感が伝わる。そして一台のディスプレイを指差して感想を待つ。それを覗き込んだ美咲。

・・・

f:id:sinkensin:20190528131523j:image

「ふーん。」

「相変わらずね!」

やっぱり、美咲はクールな反応だ。不思議と表情も殆ど変化が無い、少しだけ間をおいて美咲が声にした。

「まっ、最悪は私がここから身を引くから、ミズはここに残ったら!?」

あまりにも、あっさりとした反応に水菜は、キョトンと何かにつつまれた気分である。

「えっ?やだよ、1人って絶対に嫌です。」

「咲ちゃんは、頑張ろうって言ってくれないんだ!」

我に返った水菜が、感情的に声のトーンが強くなってるが、美咲はコーヒーを飲んでる。

「回りを見てみなよ。」

美咲は、悠史の方にチラッと視線を投げた。

いつの間にか、彼は自分の持ち場に戻り先日やり残したと思われるレポート作成に取り掛かっていた。それに気がついた水菜が口元を尖らせた。美咲は初めて表情を和らげて水菜をなだめ始めた。

「あのエロジィは、7割は変態で2割がすっとぼけているが、1割は頼りになる」

この言葉での説得力に少々疑問が残るが、これは美咲流のフォローなのだろう。

「彼が、深刻な顔してない時は、気持ち沈めるだけ、無意味だと思うよ!」

「そうだよね!」

「エロジィ!」

彼は渋い表情で、

「北川!!さっきから良いこと言ってるらしいトーンだけどよ。」

「それじゃ、落ち込む奴が1人増えるだけだぞ!!」

美咲は楽しそうである。

さっきのポーカーフェィスとは、打って変わり生き生きしている。

そんな美咲の状態を見るなり悠史はもう一言付け加えた。

「Mか、お前は!」

「ミズが不安だって。」

「安心したいって」

「頑張れ大将!」

「お前は、優しいのか、酷いのか分からんな!」

水菜は2人のやり取りに少しずつ笑顔を取り戻し始めている。

 

悠史は少し面倒くさそうに、しかしハッキリとした口調で力強く話し出した。

 

「佐々木も北川も良く聞け!」

「他の2人も後々言っとくけどな。」

「お前らは、この会社に付くのか俺を信頼して俺に付くのかだけ考えろ!!」

「考える猶予は10ヶ月だ!」

2人のマドンナは、お互いに両目を見開き見つめ合うポーズをとって2人はフリーズしてしまっている。

先に何かを悟って動き出したのは、美咲だった。

「エロジィか〜。」

「本当は私達美女と一緒に居たいのは、誰かな!?」

美咲は、悠史に近づいて結構なくらいに顔が、悠史の顔に近づく・・・

 

「押し倒されたくなければ、離れろ!!」

振り返った美咲は、水菜をみて笑ってる。

「やっぱエロジィだ、女の敵!」

「ミズ仕事しよ。」

「咲ちゃんに変なことしたら、パンチだぞ!」

「女性を守るのが、大人の男って奴だからね!」

f:id:sinkensin:20190528131849j:image

 

2人が、呼吸を合わせたように言葉が溢れる

 

 

「頼むよ大将!」

「頼むよ大将!」

 

「・・・」

「うっせぇ・・」

 

悠史は黙々とレポート作成に取り組んでる。