信剣士の細やかな時間のホット一息

チャレンジャーとしての世界で生きたいと思います。会社にエネルギーを注いで来ましたが自分の存在が如何に薄いのか思い知らされ、これからは自分の希望のためにエネルギーを使って見ます。私は何処まで歩いて行けるのか知りたいです。ぶらっと、いろんなテーマに触れて行こう。

ブラックで踊る今日とfive star story 20(盛り上がる宴と招かれざる客)

悠史は考えていた。

昼間の事務所窓際の男性の影、美咲の発言、そして水菜と高仲の遭遇。

 

偶然にしては、あり得ない程の流れ。

高仲の心情は 、かなりの確率でピークに達してるのでは無いかと言う事。

 

彼はまさかと思いつつも辺りを見回してみた。

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(・・・・?)

(・・・・・・)

この場に不自然な客が居るのだ!

この店に1人での来店、そして深く被る帽子がいかにもって空気を醸し出している。

 

(ヤバイな・・)

悠史は彼の風貌から、ほぼ高仲だろうと確信した。そんな時、隣に座る美咲が悠史にだけ聞こえるように話し始めた。

「さっき車の中で水菜と話したんだけど、どうも何か協力した方が良さげだけど、何か出来る?」

「確かにな、客観的に見て彼は少し自分の感情が暴走し始めているみたいだ。」

悠史は、美咲に分かるように視線を不自然に座る高仲に流して見た。

それを追いかけるように美咲の視線も高仲に止まる。

美咲は驚きの表情で目を丸めた、思わず手も口元を覆う。

「えっ?」

(もしかして、高仲さん・・?)

美咲は悠史を確認する様に見つめた。

悠史は無言のまま頷いた。

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高仲は5人の宴を羨ましそうに見守っている。

楽しそうに笑う水菜もその中に含まれている、水菜に語りかける、男性。

いつもは、事務所でやり取りしているメンツ。

不思議と何時もとは違う雰囲気に、高仲の鼓動が不自然に騒ぐ。

(水菜・・何故そんな風に笑う!?)

(お前の笑顔は、俺にだけしか見せてはいけない筈じゃ・・・)

(それにしても・・お前は可愛い・・)

高仲は終始こんな感じで、水菜を見つめているので悠史や美咲の視線には気が付いてない様だ。

 

 

 

悠史は、美咲と水菜がどんな会話をしていたのかが気になった。

水菜が高仲に対してどんな心境を受けているのか?

今後、高仲に男性としての魅力を意識出来るのか?美咲は、何を知っているのかである。

「で、佐々木はなんて言ってる?」

適度に悠史もお酒を飲んではいるが、シラフと言ってもいいぐらの雰囲気である。

美咲は、先程水菜との会話をどんな感じで伝えようか整理していた。

「ミズは高仲さんのことは、あまり意識して見てはいなかったようで、多分ね夕方の高仲さんからは怖い印象を受けたみたいだよ。」

「女の子は相手に恐怖心を抱いちゃうと、もう他の部分は見れなくなると思うの、だからなんとかミズには安心して貰えるように出来ないかと、どう?」

そうだよなと、悠史は思った。

しかも今の高仲は尋常じゃない雰囲気にまでなっている。彼もまた、早い所何とかしないと行けないと感じている。

「分かった、ありかとな!」

「北川は、この後ちょっと付き合ってくれ。なんとか、やってみる。」

悠史はとりあえず、劉基に声を掛けて2人でトイレに向かう。

 

美咲は、水菜に向かって声を掛けた。

「窪さんが、動いてくれるって!」

水菜は美咲をみて小さく頷いた。

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暫くして、5人の宴も終りお開きモードに入る。皆んなが席を立ってレジの方へ向かう、一足先に悠史が勘定を済ませていたらしい。

4人は悠史にお礼を述べて店の外に向かう。

今度の乗り分けは、悠史、美咲、水菜と劉基、拓也の2組で組まれたみたいだ。

その2台は駐車場を出て事務所へ向かった。

当然、もう1台も後を追うように走り出した。