信剣士の細やかな時間のホット一息

チャレンジャーとしての世界で生きたいと思います。会社にエネルギーを注いで来ましたが自分の存在が如何に薄いのか思い知らされ、これからは自分の希望のためにエネルギーを使って見ます。私は何処まで歩いて行けるのか知りたいです。ぶらっと、いろんなテーマに触れて行こう。

《ブログ小説》愛と絆のfive star story 33(拓也とマドンナと和み)

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拓也は、美咲の席の側まで歩み寄り先程出力されたコピー用紙を美咲の机の上へそっと置いた。そして美咲はそのコピー用紙に目を向け内容を確認し始めた、拓也は水菜に視線を向けて彼女にも此方へ来いと言わんばかりに手招きした。水菜が席を立ち此方に向かって来ながら美咲に声を掛けて来た。

「サキちゃん、どんな具合?」

「うーん、なんかSNSを一人一人登録して、そこでネットワークを広げとけって事みたいだね。」

「フーン・・仕事でSNSって事?」

 

美咲の隣に水菜が立っている。美咲を挟んで両脇に、それぞれ拓也と水菜が美咲の机の上のコピー用紙を見つめる。そのコピー用紙にはアカウントとアドレス、そしてパスワードが3つ用紙されている。拓也は早速ツィッターアカウントを登録し準備までは済ませている様だ。

 

「とりあえず、ツィッターアカウントを登録済ませてあるんだけど、これから先は自分達で設定しといて。」

「私達もこれで何かするのね!フーン。」

「で、どうしたらいいの!?」

「そこなんだけど、ボスは特別この先については具体的には何も指示が無いんだよ。」

「しいて言うならフォロワー数を上げとけぐらいかな。」

 

美咲は悠史に視線を向けて見た。悠史は自分の机の上のディスプレイに、睨めっこしてる。既に悠史の頭の中は違う所に行ってるようだ。美咲は諦めて意識を自分の手元に戻した。

 

「じゃあ、好きにSNSをやろうって事?」

「別に始めるのは構わないけど、さすがにプライベートのアカウントでは無いよね、仕事を意識した上での作業になるんだよね?」

「まっ、そう言う事になるね!、じゃあ少しずつ案件を絞り出して見るか。」

「確かにそうだよね、やっぱ少しずつでも具体感が欲しいかな・・」

 

3人は少しの間言葉を止めた。各々の頭の中で何かを探り始めていてる。拓也が2人に視線を向けながら少し考えを巡らせていた。

 

(この2人のビジュアルは生かした方がメリット高いよな、あとは新事業が絡んでた方が良いだろうし・・)

 

「俺が思うんだけどfive  starの社名意識してビジネスメンバーとして展開させて行ったらどう?」

「そうかもね、じゃあfive  starってどんな業種としてやって行くの?」

「そうだよね、私達って具体的に何も知らないよねー。」

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拓也は微妙な苦笑いをした。悠史の描いてる新会社はきっと白紙のキャンパスなんだろうなと感じてる。拓也にとって方向性や何か狙いや指示が有ると動き易いのにと感じている。

 

「・・だから・、ノープランなんだよ・・ただ、パソコンやSNSの持つ付加価値を利用して、売り上げの発生する内容の業務って事らしい。」

「それ以外は自由!って事。そして窪さんはSNSの拡散能力に注目してるようだね。」

「俺が思うに、何でもいいんじゃないかな?例えば美咲のファッション知識を活かして、何かを発信してみたり、水菜はパソコンのアートグラフィックの事を呟いたりとか?」

 

美咲のファッションや水菜のグラフィックは現在の日常業務である。悠史の狙いでもある「自分達の出来る事」それが始まりの一歩、そして未来の可能性だと拓也は感じている。

 

「ふーん、そう言う事ね。」

「例えば趣味が、こんなんで仕事はファッション関係。皆んな仲良くしてね!みたいな事?」

「そうそう、そんな感じ!」

「じゃあミズは、私は元気女子でーす!ノリと笑顔で世界を希望で満たしたいと思ってまーす。皆んなこの指止ーまれ!!って感じ」

 

美咲が水菜を見上げて微笑んだ。そんな水菜は両頬を、風船のように脹めて起こってるアピールしている。美咲は可愛い子と感じながら水菜の太ももの付け根付近を指先でツンツンしてる。

 

「もぅ、私はそこまで能天気では有りませーん!」

「サキちゃん、ヒドイよ。」

「ごめん、ごめん、冗談だってば!」

 

比較的、美咲は水菜を弄るのが好きである。隙あれば水菜を弄っては可愛いと、マスコットみたいに扱っている。美咲にとってある種の愛情表現である。

 

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「まぁまぁ、ザックリ言うとそんな感じで良いと思うよ。」

「実際SNSで繋がって行く相手が、どんな感じの出会いが生まれるか分からないだろうしさ、自分達がどんな形のビジネスシーンに展開して行くのかも、多少イメージを広げとくとか悪くないかもね。」

「タクくんは、サラッと流しちゃうしフォローはないんでしょうか?」

「タ・ク・クン!?」

「・・ハハッ、大丈夫!本物は可愛いから。」

「よし!合格!!」

 

(なんか、本題や趣旨がズレてるぞ。うちの社内に華が有るのは有難いけど・・なんだかなぁ・・、進め辛いな・・。)

 

拓也の感じた心境は最もである、拓也にとってはいつもの流れなのだが、どうしてもペースを美咲と水菜に呑まれてしまうのである。「進ませてくれー」が拓也にとって日課の心の叫びである。

(物語のマップサイトを用意させて頂いてます、此方のリンクからお楽しみください。)

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